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賃貸借契約書の特約の有無が大家の利益を左右する!賃貸経営成功の分かれ道とは

 

【嫁ぎ先が大家さんの不動産ライターが教える賃貸経営のコツ】
不動産ライターとして活動している筆者ですが、自営業を営む嫁ぎ先が家業の一環として行う不動産賃貸経営の契約事務管理もサポートしています。
我が家は自主管理なので、家賃滞納やクレーム対応などのトラブル処理も全てオーナー自身が行っています。そのため、入居者が起こした問題に悩まされることも多くありました。
この記事では嫁ぎ先の大家さん業で経験した、賃貸借契約書における特約の大切さについてご紹介したいと思います。

矢口 美加子
執筆・監修 矢口 美加子
宅地建物取引士・整理収納アドバイザー1級・福祉住環境コーディネーター2級。
不動産やリフォーム、不動産投資などに関する記事を複数のメディアで執筆。ライター業のほかに、家族が経営する投資用物件の入居者管理もこなす。

賃貸借契約書の特約はオーナーの資産を守る重要な約束


特約のある・なしで大家の利益は大きく変わる

特約とは、通常の賃貸借契約とは別に設定された特別な契約事項です。

一般的な賃貸借契約書のひな形ではカバーしきれない、物件固有のリスクやオーナーの意向を反映させるための重要なツールといえます。

例えば、「ハウスクリーニング費用は入居者負担」「鍵交換費用は入居者負担」「エアコン内部清掃費用は入居者負担」といった特約を定めることで、通常は大家負担となる費用の一部を入居者側に負担させることが可能です。

ただ、あまりにも入居者に不利な特約(壁紙の全面張り替え費用を入居者負担など)は消費者契約法などによって無効と判断される可能性があります。そのため、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に沿った、合理的な範囲内での設定が重要です。

賃貸経営の落とし穴を防ぐ見えない盾が「特約」

特約を設定することで、大家は予期せぬトラブルや経済的な損失を防げるようになります。

賃貸借契約には民法や借地借家法といった法律が適用され、これらの法律は、原則、賃借人(入居者)の保護に重点を置いているのが特徴です。

しかし、特約を設けることで、これらの法律の原則を補完したり、適用範囲外の個別具体的な状況に対応したりすることで、大家が不利になる可能性のある法的リスクを事前に軽減できます。

たとえば、退去時のハウスクリーニング費用や鍵交換費用、あるいは借主の喫煙による壁紙の染みつきなど、通常はオーナー負担とされがちな費用を特約で借主負担と明確に定めることで、退去時にかかる出費を抑え、実質的な利益を守れます。

【実録】賃貸借契約書の特約を設定しなかったことで発生したトラブル

賃貸経営において最も重要であるのが、賃貸借契約書の内容です。
特約を設定しておかないと、思わぬトラブルや出費に悩まされることがあります。

ここでは、義実家が所有する賃貸物件で、賃貸借契約書の特約を設定しなかったことにより発生したトラブルについてご紹介しましょう。

【ケース1】更新手数料を特約で設定していなかったので受け取れなかった

マンションの貸室の客付けを依頼した不動産会社が、初回の賃貸借契約書に更新時の更新手数料について特約を設定していなかったというケースがありました。

そのため、更新する際に管理会社(自社)が借主から更新手数料をもらえないという事態が発生したのです。

新規の賃貸借契約は、義父と不動産仲介会社の二者間でやり取りをしていたため、他の家族は契約書の内容を精査していませんでした。

3回目の更新契約については私が更新契約書に記載して請求しましたが、特約の重要さを実感したケースといえます。特に、我が家のように自営業で管理業務も行っている大家さんは気をつけましょう。

【ケース2】短期解約特約を設定していなかったので空室期間が発生

短期解約特約とは、入居者が賃貸借契約の期間中に、定められた期間(例:1年未満、2年未満など)で解約した場合に、大家が被る損失の一部を補填するために設定する項目です。

新たな入居者を募集すると、大家は広告料を再度請求されることが多いため、出費が増えてしまいます。すぐに入居者が決まらないこともあり、その間は家賃収入が途絶えてしまうのもネックです。

我が家の賃貸物件でも1ヶ月程度で解約した入居者がいましたが、賃貸借契約書で短期解約について特約を設定していなかったため、空室期間における損失が発生してしまいました。

空室期間が2〜3ヶ月続くと、その期間で得られたはずの家賃収入が入らなくなるため、キャッシュフローにマイナスの影響を与えます。次回からは新規契約したばかりの早期解約については、特約を盛り込むことを必須としています。

原状回復の特約を具体的に盛り込まなかったので借主と工事費用で揉める

原状回復について具体的に負担範囲などを記載していなかったため、退去時に入居者と原状回復費用で揉めたこともあります。

一応、契約書では「本物件の明渡し時において、乙は、通常の使用に伴い生じた本物件の損耗を除き、本物件を原状回復しなければならない」という条文を入れていました。

しかし、通常の使用といっても、長期間住んでいた場合はかなり汚れや損傷があり、経年劣化によるものなのか、それとも借主の不注意などによるものなのか、判別が難しいケースがあります。

最終的に借主との協議で工事費用を調整しましたが、やはり、お金に関するトラブルはお互いに気持ちの良いものではありません。

そこで活用したいのが、原状回復の専門会社です。

私たち株式会社アソシクリエイトは、退去時の立会い代行サービスもご提供しております。原状回復のプロである担当者が、大家さんや管理会社の代わりとして対応するため、入居者が納得のいく説明をすることが可能です。原状回復の工事範囲について入居者と円満に解決したい大家さんは、ぜひ、原状回復の専門会社である株式会社アソシクリエイトにご相談ください。大家さんのストレスや不安を軽減します。

オーナーが特約で定めておくべき主な項目

特約の種類にはさまざまなものがありますが、最低限押さえておきたい主な特約は以下の3つです。

・原状回復の特約
・短期解約の違約金特約
・物件での禁止事項特約

ここでは、上記の特約についてそれぞれ解説します。

原状回復・鍵交換費用についての特約

最もトラブルになりやすいのが退去時の費用精算です。
国土交通省のガイドラインがあるとはいえ、具体的な項目を明記しないと、通常損耗か否かで揉める原因となります。

特に具体的に盛り込みたい点は以下のとおりです。

・ハウスクリーニング費用
・鍵交換費用
・喫煙による損耗
・ペット飼育による損耗(ペット可の場合)

ハウスクリーニングは、水回り全体や床、壁、玄関、ベランダなどのクリーニングが一般的ですが、エアコンも専門的なクリーニングが含まれる場合があります。

鍵の交換費用の負担は誰かということも明確に記載しておきましょう。特約を付けなければ通常、大家が負担することになります。

入居時に交換費用として入居者が負担した場合、退去時に鍵の紛失があると改めて鍵費用が発生するため、トラブルになることも見受けられます。

次の入居時まで鍵交換は行われないため、鍵の紛失は費用がかかることを伝えるのも必要でしょう。

喫煙時の汚れはプロのハウスクリーニング業者でも手強いもので、クロスをすべて張り替えてもドア枠から天井の見切りまで洗浄する必要があります。通常作業より数時間余分にかかるのが一般的です。

タバコのヤニで変色した場合は清掃では落とせないため、塗装か交換になり、高額な費用がかかります。工事費用をめぐってトラブルになるケースも少なくありません。畳やふすまの交換費用も入居者に対して丁寧な説明が必要な分野です。

空室期間の損失を最小限に!短期解約違約金特約の威力

契約期間の途中で入居者が解約した場合、大家さんは次の入居者が見つかるまでの家賃損失や、再募集にかかる広告費用といったコストを負担することになります。これを補填するための特約です。

具体的には以下のような条文を特約として盛り込みます。

賃貸借契約期間(例:2年間)の途中で解約する場合、入居開始日から〇年未満の解約は家賃〇ヶ月分、〇年以上〇年未満の解約は家賃〇ヶ月分の違約金を支払うものとする。

上記のような形で、具体的な期間と違約金を設定します。

この特約があると、入居者は気軽に短期解約ができなくなるため、大家さんの安定した賃貸経営のために必須といえます。
物件の資産価値の維持向上!禁止事項特約で物理的損傷を防ぐ
貸室内において禁止事項特約を設けることは、物件の資産価値の維持向上に大きくつながります。 美観だけでなく、物件そのものの物理的な状態や機能性を守れるからです。

禁止事項特約が守られることで、退去時に物件が比較的良い状態に保てるため、次の入居者に良い状態で引き渡しをできるでしょう。

状態が良ければ家賃を無理に下げる必要がなくなり、適正な家賃設定を維持しやすくなります。無断での釘打ち・穴開け・改造の禁止や、物件の清潔さ・衛生状態の維持を義務付けるようにしましょう。

まとめ:特約は「転ばぬ先の杖」!トラブル回避と安定経営のために必要な条項を設定しよう

賃貸経営において、特約はまさに「転ばぬ先の杖」です。

大家さんが直面しがちな家賃滞納、設備トラブル、入居者間の問題、そして退去時の費用負担などを未然に防ぎ、万が一の事態にもスムーズに対応するための「見えない盾」として機能します。

特に、安定した賃貸経営を実現するために最低限設定しておきたい条項は以下の3つです。

・退去時の費用負担を明確化する特約(原状回復の特約)
・短期解約の違約金特約
・物件での禁止事項特約

これらの特約を契約書に具体的に盛り込むことで、将来的なトラブルを大幅に減らし、大家さんの経済的な損失や精神的な負担を軽減できるでしょう。

 

株式会社アソシクリエイト

埼玉県の賃貸物件で原状回復リフォームをする場合は、さいたま市南区にある「アソシクリエイト」におまかせください。原状回復工事や総合リフォームを専門としており、大手不動産管理会社様やオーナー様より、退室補修工事や原状回復工事を請け負っております。

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